なぜそうなるか
曲がったり傷んだりした記念硬貨は、日本銀行で替えてもらえる?——金貨以外は「量目の2分の1を超えるもの」を額面の全額で引き換えると定めていました
記念硬貨を長くしまっておくと、思わぬ姿になっていることがあります。
黒ずんでいたり、引き出しの中でぶつかって縁がへこんでいたり。
ここまで傷んだものでも、お金として扱ってもらえるのか。今回はそこを確かめました。
開いたのは、日本銀行の「日本銀行が行う損傷現金の引換えについて(書式・手続き等)」というページです。銀行券と貨幣の両方について、引換えの基準が条文のように並んでいました。
銀行券の基準は、券面がどれだけ残っているかで全額・半額・失効の3段に分かれています。紙の面積で測る決まりです。
貨幣のほうは段が少なく、見るものは模様と重さの2つでした。記念硬貨の話をするなら、こちらの数行を読めば足ります。
・日本銀行は「磨損その他の事由により流通に不適当となった貨幣」を引換えの対象にしている
・貨幣は、模様の認識ができることが前提になる
・金貨以外は量目の2分の1を超えれば、額面の全額で引き換える
・金貨は量目の98%以上が全額の線
・引換えの手数料はかからない
傷んだ記念硬貨も、引換えの対象になる?
曲がってしまった記念硬貨、日本銀行に持ち込んでも相手にされない?
ページの冒頭には「引換対象」という項目があり、2つが並んでいました。1つ目が銀行券、2つ目が貨幣です。
(2)磨損その他の事由により流通に不適当となった貨幣
記念硬貨がこの「貨幣」に入るのかは、財務省の答えで確かめられます。記念貨幣は法律で貨幣として定められている、と財務省は答えていました。
日本銀行の「損傷したお金の引換え窓口」のページでも、記念貨は引換えを行うお金の例として名前が挙がっています。
(→ 記念硬貨は額面どおりに使えるのか)
どこまで傷んでいても、額面で替えてもらえるの?
ここからが今回の本題です。
貨幣の基準は、まず「模様の認識ができること」から始まります。基準の頭に置かれた一文がこれです。模様の認識ができる貨幣を対象とします。
そのうえで、金貨とそれ以外とで線の引き方が分かれていました。
・金貨:量目の98%以上で、額面価格の全額
・金貨以外の貨幣:量目の2分の1を超えるもので、額面価格の全額
・前提:どちらも模様の認識ができること
量目は、貨幣の重さのことです。
金貨以外についての原文は、次の一文でした。
量目の2分の1を超えるものについて、額面価格の全額をもって引換えます。
銀行券のように「半額で引き換える」段は、貨幣の基準には置かれていません。基準の終わりには、満たさないものは失効になるとも書かれています。
基準を満たさないものについては、失効となります。
火事や災害で傷んだときは?
基準の本文には、ただし書きが付いていました。
災害などで重さが減った貨幣は、量目の割合を問わず、模様が分かれば額面の全額、という扱いです。ただし、災害その他やむを得ない事由により量目が減少した貨幣については、次の基準にかかわらず、模様の認識ができることを条件に額面価格の全額をもって引換えます。
どの場合が「やむを得ない事由」に当たるのかは、ページには例が挙がっていませんでした。当方はそこを判断しません。
手数料や、持ち込むときの準備は?
引換えの手続き(日本銀行のページから)
・受付は日本銀行の本支店で、営業日の9時から15時まで
・郵送では受け付けていない
・事前の予約をお願いしている
・窓口の「引換依頼書」に記入して提出する
費用の項目は短く、1文だけでした。
日本銀行は、手数料を徴収することなく、損傷現金の引換えを行います。
持ち込む前の整理についても、貨幣向けの頼みごとが書かれています。
汚れのひどいものは、水洗いのうえ乾燥させてください。
金属片やプラスチックのような付着物は、できる限り取り除いてほしい、とも添えられていました。
受け付けのあとには、傷んだ経緯を尋ねられることがあると書かれています。引換えの可否を判定する参考にするため、という説明でした。この記事で確認したこと
・日本銀行は、流通に不適当となった貨幣を引換えの対象にしている
・前提は「模様の認識ができること」
・金貨以外は量目の2分の1を超えれば額面の全額、金貨は98%以上
・災害などで量目が減ったものは、模様が分かれば全額
・手数料はかからず、窓口は日本銀行の本支店
手元の硬貨が基準に当たるかは、窓口で量ってもらうまで決まりません。
よくある質問
模様がすり減って読めない硬貨はどうなりますか
日本銀行の基準は、貨幣について「模様の認識ができる貨幣を対象とします」と書いています。模様が認識できないものがどう扱われるかの例は、ページにはありませんでした。
持ち込むのは本人でないといけませんか
今回のページには、本人に限るという書き方は見当たりませんでした。依頼人は引換代り金を受け取るときに番号札を出して氏名を名乗る、という手順が書かれています。
金融機関の窓口でも同じ基準ですか
今回引いたのは日本銀行の基準だけです。金融機関の窓口での扱いは、このページには書かれていません。
持っている記念硬貨が何の硬貨か、どこで調べられる?
財務省の「記念貨幣一覧」に、名前・年銘・図柄・直径と重さが並んでいます。照らす手順は手元の記念硬貨が何なのかを調べるにまとめました。
この整理が変わる条件
- 日本銀行の「損傷現金の引換えについて」の引換基準や手続きが改められた場合
- 引換えの受付時間や、予約の方法が変わった場合
出典
- 日本銀行「日本銀行が行う損傷現金の引換えについて(書式・手続き等)」 https://www.boj.or.jp/about/services/bn/hikikae.htm
- 日本銀行「損傷したお金の引換え窓口」 https://www.boj.or.jp/about/services/bn/index.htm
- 財務省 よくあるご質問「過去に発行された記念貨幣は、現在でもお金として使えますか。」 https://www.mof.go.jp/faq/currency/07ai.htm
傷んだ硬貨を持ち込むときは、ご来店の前に窓口へ予約の電話を入れておくと安心です。
当方が上の出典を引いて確かめた日: